カウントダウンで一斉に33艇がスタートを切り、重たいサバニをどうにか海に押しだして漕ぎ出すがなかなか進まない、左から昨年の順位で並んでいるのだが、ずっと右のチームにも追い抜かれていく。実はこのルーヌクスは、旧「ざまみ丸」。「ざまみ丸」のチームは2年前から新しい軽いサバニを建造してから2連勝中で、今年も優勝の最有力候補とのこと。たしかにルーヌクス他のサバニと比べてひとまわり大きくて胴体も太いのです。慶良間海峡を抜けて牛島を通過するまではひたすら漕ぐ。
左手に男岩を見る当たりから風も強まりスピードがあがってきた、同時に波も2Mを越える状態。だけど、がっしりしたこのサバニは、ある程度風が出て、波があるほど力を出すようです。一番北に航路を取ってどんどんと他のサバニを抜いていく。艇だけでなく操舵している宮平さんの腕もきっと良いのでしょう。私はただのエンジンなのでひたすら漕ぐ。特に前島を過ぎたあたりからは波高が2.5から3M近いうねりで漕ぐこともできず、波で横転しないように波をみながら右へ左へとバランスを取るのが精一杯。だけどこのあたりで伴走艇から4位か5位の位置に付けているという連絡があり6人は盛り上がってました。
チービシを過ぎたあたりからはうねりは少し残っているものの風が弱まるという、我々にとっては悪いコンディション。疲れがたまってきているがうねりのせいで漕ぎ手の交代もできないので、そのまま漕ぎつづけるしかないなか、後ろから追い上げてくる黒いサバニにかわされてしまった。向こうは小振りのサバニに3人乗り。ほとんど漕がずに帆走している。このチームはさらに1艇をかわして3位入賞。さらに2艇が後ろから接近してくるがどうにか200-300Mの差を保ってゴール。3時間20分55秒、5位という予想以上の成績でした。
このサバニ帆漕(sailing&padling)レースは2つのカテゴリに分かれていて我々の参加したのは、アウトリガーを付けて良いカテゴリーで、アウトリガーを付けないカテゴリーは古典サバニと呼び、昔ながらの小振りの帆とアウトリガーなしのサバニで争うといういうもの。こちらはトップでも4時間以上の時間がかかっているのでアウトリガーがいかに効果的であるのかがわかります。第2次大戦前くらいまでは、この古典サバニで座間味から座間味の特産物の鰹節や夏になるとスイカを那覇まで運び、那覇からお米などを運んだと言いますからこれは相当大変な物流であったと思いました。さらにこのサバニで何日も航海に出て漁をしていた琉球人もすごい海洋民族であったのだと実感した次第です。
来年も出たいな。。